・ファーストクラス

宮崎大学医学部直井信久元教授との共同開発モデル

「ファーストクラス」は宮崎大学附属病院の直井信久教授との共同開発で誕生。

長時間の眼科手術で外科医の身体的負担を軽減する目的で設計。

教授の経験を基に、細部に配慮した設計。

一体型の形状で設計されている。

人間工学的実験は附属病院の手術部で実施。

サンコーウレタン（現：横浜（株）八堂）が造形を担当。

発売は2013年。

平成眼科クリニック・出田隆一院長の提案（2025年）で前滑りを減少させる特殊生地を採用。

性能が向上したと評価され人気上昇している。この椅子の写真は改めて紹介する。出田先生は、別途手術セッティング（surgical setting）という方法を述べられているので、これも改めて紹介の予定である。

主要論文（国際誌）Application of Zen sitting principles to microscopic surgery seating, K.Noro et al., Applied Ergonomics 2012  https://doi.org/10.1016/j.apergo.2011.06.006

・プレミアム（産業医科大式）

デザイナー：余　篠嘉　Yo Shouka　上海交通大学　Design卒　早稲田大学大学院（人間科学）　

開発経緯

産業医科大学眼科学教室（近藤寛之教授）が中心となり2015年に第一生命財団からの研究助成を受けて研究が開始された。参加の委員の所属は、東北大、早大などであった。特筆すべきは、早大表現工学科学生　村重 新君の参加（指導教員：河合 隆史 教授および三家礼子教授）は、プロジェクトの推進力を高める要素となった。研究内容は、眼科顕微鏡手術における執刀医の作業姿勢を人間工学的に調査（産業医科大学眼科学教室（近藤寛之教授））した。骨盤傾斜角度、体圧分布、肘置き使用状況、疲労感を解析した結果、臀部、特に坐骨結節への負荷が高いことが判明した。疲労軽減には姿勢調整と椅子の改善が重要であり、試作椅子では平均圧力の低下を確認した。眼科のウエットラボで医師8名による実験を実施し、背もたれで背中に圧をかけると快適さと術中安定性が向上し、背もたれ調節幅は約9㎝で広いことが分かった。この新椅子は近年の腰痛増加への対策として背骨の付け根（the base of the spine）を支える機構（ハーマンミラーの意見　後続の記事および研究実績に詳細来春アップロード予定）を含み、設計はエルゴシーティングが担当した。

主要論文（国際誌）Oyama, H. et al. Effects of a chair for ophthalmic microsurgery on pressure distribution and pelvic tilt in surgeons, Work 73 (2022) S45–S55 doi: 10.3233/WOR-211117