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研究実績

2026.02.22

南イタリアで学生達と交わした「姿勢」の対話――サレルノ大学での楽しい時間

―世界で輝く!国際教育・研究活動 8選の1つ

南イタリアで交わした「姿勢」の対話――サレルノ大学工学部にて

―世界で輝く!国際教育・研究活動 8選の1つ

南イタリア・サレルノ大学で交わした東西哲学の対話:

サレルノ大学工学部での演習セッションは、イタリアと日本の伝統が「姿勢」というキーワードで共鳴する、刺激的な試みとなりました。

セッションの幕開けは、イタリアで「常に傍らにある指針」を意味するラテン語「Vade mecum(我と共に歩め)」の紹介から始まりました。私はこれに応答する形で、道元禅師の『普勧坐禅儀』の精神を継承する姿勢矯正ツール「Pelvic Roll」を提示。古の知恵を現代の「Vade mecum」として大教室で説きました。

実習室でのワークショップのテーマは「快適な座席の探求」です。6名ひと組の学生たちは、限られた2時間という時間の中で、ミニチュアモデルの製作に没頭しました。発表の場で驚かされたのは、あるグループが「Pelvic Roll」の機能を完璧に捉え、椅子の構造に見事に組み込んでみせたことです。

日本の「坐蒲」に宿る知恵――骨盤を支え、自らの姿勢を整えるという機能――をイタリアの若者たちが感性で理解し、形にした瞬間でした。その独創性は現地の教員たちからも絶賛され、私自身も学生たちとの深い対話を通じて、国境を越えた「ものづくり」の喜びを再確認することができました。

セッションのプログラム(これは、サレルノ大Naddeo 先生が時間割に基づいて構成)

・Speaking Vade Mecum 大教室にて

写真右 Pelvic Rollの簡単な解説(Vade Mecum)   写真左 Rollの作り方の実演 学生たちの中に入って実演 こういう方法は、日本では歌舞伎の花道が有名だが、ここの”Theatrical” は、18世紀の医学部・病院の手術の供覧のための施設の呼び名である。

ひとつ上の写真の花道に、講師(筆者)がタオルを持って移動したが、カメラが追従できなかった。この写真は、日本に帰ってから、サレルノ大の助手M.Cozzolino先生(中央)に頼んでやってもらったものだ。

・実習室に移動、テーマが学生に伝えられる。テーマは:快適な座席(座る場合と休むまたは寝る場合)を作る         6人1組で、テープ、鉄線、紙を使って自分たちの椅子を作成                               

みんなで使う道具と材料の箱

各チームの製作風景

報告

・感想

このセッションは、オンラインで日本の学生達も立ち会うことができた。ただ、時差があるため、終了は日本の夜半に至ったことは残念で今後の参考としたい。このような形で、イタリアの学生に接することができたことは、私にとり至福の時間だったといえよう。イタリアのクラフトの基礎的修練に接したと思った。実は、2012年にミュンヘン・ホホシューレ(応用科学大学)での私の教育体験(このサイトの別項目参照されたい)がベースにあることは、明らかで今後ドイツやスイス(日本も)を含め更なる展開を考えたい。

最後にサレルノの風景をお見せしましょう。遠方が、シシリー方面。手前がナポリの方面。

 

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