高齢者の椅子 おすすめポイント
高齢者の椅子選びアドバイス 2014.6.13 動画改訂
先日、ある70歳前後のご夫婦のお住まいにお邪魔しました。4人用の食卓に、2つの椅子がありました。もう2脚は、別な部屋で使われているそうです。息子さんらが返ってこられたときは、別な部屋から椅子を持ってきて使うそうです。家族の人数は、人生の中で伸び縮みます。50歳台で椅子を新調される場合は、先々のことまでお考えになることをお勧めします。
高齢者の椅子選びアドバイスとしては
元気な方々
痛みや疾患をお持ちの方
に分けられます。
1999年以降早稲田大学野呂研究室とエルゴシーテイング㈱は、座ることの問題を解決するチェアクリニックを開設し多数の高齢者の座るときの問題解決に取り組んできております。ここでは、そのなかから、ご参考までに紹介します。
高齢者の椅子として必要なことは、まず次の動画をご覧ください。
動画 高齢者の椅子 おすすめ ポイント1
この動画でわかることですが、
椅子が軽いこと
椅子が前後に動かしやすいこと
です。
ほかに重要なことが二三ありますので、別な機会に動画で紹介したいと思います。
以下に述べるチェアクリニックは、最近も行っております。ひとつは、テレビですが、一昨年の古田さん今年5月の水泳の宮下さん(あさイチ)へのクリニックは、ご覧になった方もらっしゃるかもしれません。番組であのようになぜかスポーツ 関係ですが、本当は高齢者の方や子供達のチェアクリニックがもっとしたいと思っております。
次の写真は、とよた整形外科クリニック(山口市)のリハビリテーション部でクリニックを行っているところです。2013.6.29
写真 腰痛にやさしい椅子に腰かけた女性を囲んで、
右豊田院長 中央 野呂 左 小山東北大准教授
座ることの問題を解決するチェアクリニック
(高齢者の椅子選び (使用中の椅子を改善する方法))
1999年以降早稲田大学野呂研究室とエルゴシーテイング㈱は、座ることの問題を解決するチェアクリニックを開設し多数の高齢者の座るときの問題解決に取り組んできております。以下にその体験とデータに基づいて述べることにします。
チェアクリニックでは体圧分布の測定や骨盤の傾斜を測定、そして多くの椅子を用いてのアドバイスを受けることができます。また、必要に応じて住まいを訪れ実際に使われている椅子を用いての訪問クリニックも非常に多く行いました。10年間のクリニック受診者は、235人となりました。次の二つの図は、男女別年齢分布です。
図 座ることの問題解決でチェアクリニックを訪れた女性の年齢分布
女性の年齢幅が広く、60歳ー70歳を中心とした山と30歳を中心とした山が認められます。最高年は、当時105歳でした。
図 座ることの問題解決でチェアクリニックを訪れた男性の年齢分布
男性の分布は、山は一つですが、40歳ー50歳の人数が女性に比べると多いのが認められます。
このチェアクリニックで得た結果に基づいて使用中の椅子を改善する方法を中心に高齢者の椅子選びのアドバイスを述べます。 2012.7.9
新規購入と使用中の椅子に分けて解説します。
1 新規購入の場合
■身体をしっかり支えるもの
・背もたれが腰まであって、腰を支えるもの (換言すると中抜け背当ては困る)
→60代のご夫婦が、背もたれが背中部分10cm程しかない椅子を使用。
腰が痛い、落ち着かず長時間座っていられない、という悩みがあった。
換言すると、背当てに座ぶとんやクッション当てることができること。
・背もたれが大きく、肩や頭まで支えるもの
→80代の女性が、読書やリラックスのための椅子を要望。
頭を自分で支えるのが疲れる、という悩みがあった。
・肘掛のあるもの(左右のバランスが悪い場合の補助、立ち上がり動作の補助)
・足の裏がぴったり床に着いているか 着いていると体を支え姿勢を保ちやすい
足がぶらぶらしている状態で姿勢を保つのは余分な筋力が必要
(誤嚥を防ぐためには:足の裏がぴったり床に着いている、体幹をまっすぐに保つ、頭は軽くうなずく状態)
■身体の大きさにあうもの
・座面の高さと、膝から下の脚の長さが合うもの(むくみの防止)
・座面の奥行きと、お尻から膝までの長さが合うもの(腰痛の防止)
・ 座面の幅が大きすぎないもの(大きすぎると身体が支えられず、安定しにくいため)
■ 軽いものを選ぶ
3kg 〜 4kg が望ましい。6kg までは許せます
日常生活では、椅子を前後にずらす動作は、非常に多いので必須条件である。
2 使用中の椅子を改善する場合
○座面の高さが高すぎる場合
→ 座面の高さに合うように、足置き台を使用する
(雑誌などを積み重ねて、適切な高さを試すと良い)
足置台の使用は、いまや常識となりました。しかし、高齢者によっては、これを置いたため、今度は、椅子からの立ち上がり時に不安がることがあります。
○座面の高さが低すぎる場合(高齢者の場合、ほとんどない)
座面に硬めのクッションを置き、座面の高さを高くする
○座面の奥行きが大きすぎる場合
背もたれの部分にクッションを置く(背もたれを使えるようにする)
80才台の人はほとんど大きすぎる。
- 呼吸枕
- 医師用椅子(産医大版)の開発
- 取扱説明書
- 素材の特性から選ぶクッション
- 星観(プラネタリウム)椅子の開発
- 巻きずしロール
- 骨盤ざぶとん
- 仙骨サポート座布団
- 仙骨サポート座布団(SSZ)の効果の検証
- レストランの椅子
- 航空機用シート
- カーナビゲーション用リモコン
- アクセルとブレーキの踏み間違い 研究
- 講演ー実験と製品化人間工学 2017.7
- Ergonomics has an important role to play for supporting economic and industrial activities.
- ダイムラー社ベンツ最新Eクラスのエルゴノミクス体験
- 人間工学入門その1 何のためにあるのでしょうか
- その2 いつ頃から人間のことを考えてものを作るようになったのでしょう
- その3 参加型人間工学
- 講演 人間工学による物作り その1ー5つの鍵
- 講演 人間工学による物作り その2ー事例1キッチンナイフ
- 講演 人間工学による物作り その3ー事例2 椅子
- 講演と論文・記事
- 国家試験問題(人間工学関連)の傾向と対策
- 目次と趣旨
- 第1章 看護のためのエルゴノミクスとは
- 第1章 1.2 人間工学で必要な人体の知識 1.3 ICTの活用
- 第3章 看護師の動きを時間で測る
- 第4章 患者の満足を調べる
- 第5章 病室の患者のゆとりを測る
- 第6章 椅子・パソコンと健康障害
- 第7章 医療ミス