シリーズ 人間工学(エルゴノミクス)とは  その1 2020 加筆

人間工学は何のためにあるのでしょうか

人間のことを考えてものを作るための考え方・方法をまとめたものが、人間工学です。

今2020年に考える必要性とは;

私は、50年以上この分野で仕事を続けております。 今年は、ドイツの人間工学学会は、新型コロナのためオンラインに変わり、日本の学会(6月)も皆が集まって催す形式は断念したようです。しかし考えようによっては、設立以来、長い年月を経て今日でも、必要性があるから学会も続いているということでしょう。それでは、今の必要性とは、どのように考えればよいでしょうか?

一番気になることは、卒業生のなかで教育・研究職についた人たちのことです。当時(20年前)に人間工学の分野で社会とくに科学・技術で日本や世界に貢献しいようとした若者たちは今どうなっているのでしょうか? ほとんどは、しかるべき教育・研究職に就職しております。主な自動車会社や家具会社でも活躍しているようです。企業から海外に派遣された人も少なからずいるようです。まずまずの成果だと思う一方、これからはどうか。まず、本拠の学会”日本人間工学会”ですが、この15年会員数の大幅な減少があります。かつては学会誌の毎号に掲載された教員の公募もぱったりと無くなりました。このような状況で、改めて人間工学は何のためにあるのかを問います。その結果を、次のようにまとめてみます。

1 社会のなかで、基礎的な科学や工学の分野として必要性が認められている

例えば、今や駅の構内や病院、個人のすまいまで普及した手すりですが、 これはかつて、産業安全研究所の永田久雄先生のご研究(独立行政法人 労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所)があり、その後の様々な研究があります。その結果、場所はどこであれ手すりを設置するのに心配ありません。(この項 継続)

2 応用される領域として、より広範になった

3 今後は、様々な分野と協業することで、人間工学の社会貢献がされるであろう

人間工学は人間の生理的心理的特性をもとに、人間にとっての使いやすさという観点から、もののあり方を研究し人とマシンの調和を考え、人間に優しい快適設計を行うことを研究目的としています。

日本人にとっては、人間工学の方がなじむかもしれませんが、国際的に通用するのは、エルゴノミクス(ergonomics)です。インターネットでも、エルゴノミクス商品は多数検索できます。「エルゴおんぶひも」までありました。

実例

例としては、各家庭の椅子と電化製品と女性、自動車とドライバー、コンピューターとオペレーターなどがあげられます。最近(2009―2010年)の筆者推薦の商品をあげてみます。個々の商品のエルゴノミクス特徴は、別の項にまとめて示しておきます。

表 最近(2009―2010年)の筆者推薦の商品 詳しくは、別項にて

一覧この表には、バリアフリーやユニバーサルデザインとして開発されたものも少なくありません。バリアフリーやユニバーサルデザインは、個々の目的を意味します。エルゴノミクスは学問体系です。

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