星観椅子の開発
総括 既存のプラネタリウムの椅子には、健康面・人間工学面での配慮がされていない。
実際には、写真のようにかなり上向きの姿勢で頸椎が伸展していることが確認された。
入場者の多くが児童であるが、成人のみが設計対象であった劇場椅子を流用する施設が全てである。今回は”成長盛りの児童の体を守る”をデザインコンセプトとして開発を行った。公開してから、約4か月経過した時点で、特に設計当初からモデルとした児童による検証(とくにアームレストと背当てのVゾーン)を行ったが満足のいく結果を得た。
図1は、開発の流れである
図2は、この椅子の三つの特徴である。さらに小学4年生からにサイズ適合するように設計された。
写真2 完成後小学5年生が座った状態である。この写真でわかるように”Head-up viewing” が、姿勢の特徴である。頸椎を保護するために医学×工学で行ったことを後で説明する。
写真2 星観では顎上げが持続
① 頸椎保護のヘッドレスト
目的 顎上げ首が疲れる(頸椎過伸展の無視)の姿勢が多いので、頸椎を保護するヘッドレストを開発。
形状と寸法を決める。小学4-5年生から成人までカバーする範囲を決める
図3 背あての中のヘッドレストの領域の確定
ヘッドレストの詰め物は、アキレス社の低反発でばね性の高いクッションを用いた(図4)。
図4 使用したウレタンフォームの特性は、技術情報の図3に記す
② 仙骨サポート
座り心地に定評のあるモールドウレタンが採用された。腰掛けた姿勢とくに骨盤の角度は、骨盤に癒着された腰椎の形状(前弯)に直接的に影響する。このため骨盤の角度を制御するため仙骨の直下にくさび型(テーパー)のサポートをあてがう。
図5左の白いクッションがテーパーである。左はX線画像による確認―骨盤の傾斜・腰椎の彎曲と支えるテーパーの位置関係(アライメント)を確かめる。
図5 骨盤を立たせて姿勢をよくするためのテーパーとX線画像による確認
③ ひじ掛けのグリップ
先端に図6のようなグリップが付いている。これで姿勢が崩れるのを防ぎ上体を安定させる。図2を参照されたい。
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- 第3章 看護師の動きを時間で測る
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