感染対策の呼吸枕の開発
感染対策の枕 商品名 柿渋染め呼吸枕 編集中
infection control pillow
cover dyed with kaki tannin
開発:人間工学×臨床医学チーム1)企画販売:小学館×(有)インザライフ×エルゴシーティング㈱
1 呼吸容易な頸部角度の実現、十分な空気を肺底に送り込むことが必要2)3)頸部角度のユーザデモは、ICT4)。
2 枕に付着、生存のウイルス清掃を容易に行える構造設計と材質の選択5)6)
3 柿渋染めのカバーにより広範なウイルスの不活化。タンニンの実証済み7)ながら、塗布の布のウイルス学からの実証はもう少し後の予定。
産業医大耳鼻科柴田美雅、労働安全衛生研小山秀紀、早稲田大学・エルゴシーティング㈱野呂影勇。広島大学医系科学研究科ウイルス学坂口剛正教授から助言をいただきました。
参考文献
坂口剛正、上田恭子、川端涼子、柿タンニンによ剛正
素材と品質保証
呼吸枕の寝心地は
いかに呼吸が良くなっても、寝心地が良くなければなりません。ただ寝心地はトータルで感じられるものです。呼吸枕では、素材の選定と表面の色彩とデザインに力を入れました。
枕は習慣性が強いものです。日ごろお使いの枕と形状が異なっていますと、違和感がある場合もあるかもしれません。その場合、一日おきに試すなど次第に慣れるようにお願いします。
さて直接首や頭が接し、しかも寝返りという動きをスムースにするために選んだ素材はプラスティックのストローでした。これを適量詰めたシリンダーは、デリケートな首回りーうなじにやさしく接し、しかも寝返りがスムースです。これはストローが一つ一つ独立で、外の動きに応じてシリンダー内で、左右に動く現象(レオロジー)が発生するからです。ストローの圧縮ひずみ特性が、ウレタンフォームと大きく違うことは”素材の特性で選ぶクッション”で詳しく述べておりますが、とても変わった特性でシリンダー形状と相性が良く寝心地と寝返りを巧みに演出しております。
次の動画をご覧ください。
1 シリンダーの動きのある柔らかさ
素材として、ウレタンフォームやタオルなど試したのですがいずれも、気泡が連続していたり、繊維が連なっていたりして、それによるひきつれ現象が起こるので採用しませんでした。このひきつれ現象は、”素材の特性で選ぶクッション”で動画で確認できます。
2 枕に接する体の場所は
頭と頸部です。このうち、頸部はうなじとも称して感覚的に敏感なところです。うなじの感覚について実験を行いました。図1の左は、医学標本で頸椎周りの筋群を確かめました
図1 左 医学標本で筋群の所在を確認 右 うなじの皮膚感覚の検査
3 テラス付き台 素材を選ぶ根拠
3Dコイルばねを用いました。3Dコイル耐荷重特性がよく土台として最適であることと、通気性がすこぶる良いことも選定の根拠の一つです。
4 結果の評価 寝心地を評価する体圧分散
図2をご覧ください。通常の平枕に比べて、40%もの向上が認められます。
徹底的に全部洗えます 感染対策
人は寝ている間に、体液、咳やくしゃみ、髪の毛やフケなど、枕に残ります。接触伝播の可能性を考慮し、適切に清掃・消毒・洗濯することで広範囲なウイルス感染対策となります。
ウイルスに感染した場合、枕は、定期的(毎日)に洗いましょう。それもカバーだけでなく、全部洗いましょう。呼吸枕は、当初から全部洗いを条件に開発されました。
次の動画は、洗い方です。
呼吸枕 本当に呼吸がよくなるのか?
まず、呼吸の標準パターンと頭部の関係の図解を図1に示します。
枕研究チームは、2016年6月に30人の測定を呼吸枕を用いて行いました。図2は、それらの中から、代表的な測定例 A とB を示します。
この測定は、昨年(すでにドイツで発表)に次いで2回目の大規模な調査です。A は、相違が明白です。Bは、呼吸枕に変えて、おだやかな呼吸になったことが分かります。
呼吸は人のバイタルサイン(生命に関する最も基本的な情報)の一つなので、測定は微妙なことが多い。今回は、寝返り研究の
野崎真奈美教授(東邦大看護学部)が研究に加わったため、測定が安定して得られた。今後、データーの解析をすすめドイツの
学会の第2報を行う予定である。
次の動画は、呼吸測定実験の様子である。
まとめ 呼吸枕 本当によくなるのか?
以上の通り、呼吸枕が呼吸に与える効果は、大きく確実である。
呼吸枕は、寝返りも良い
寝返りのしやすさ、しにくさを実験で確かめました。
図は、寝返りの市販の平枕との比較による検証実験の解析結果です。なお、実験のため呼吸枕は市販の横幅35cm ではなく横幅1m です。比較対象の平枕は、表面が頭の収まる部分が凹んだものです。頭を載せた時の凹み具合が黄色の線で示してあります。この差は顕著で、垂直と水平移動距離ともにフラットな呼吸枕タイプが有利であることがわかります。
垂直移動距離 平 > 呼吸枕タイプ この1cmの差は頭部の重さを考慮すると大きい。
水平移動距離 平 < 呼吸枕タイプ この約8cmの差は、平枕に比較してフラットな形状が寝返り時の大きな体動を許すことを示しています。
次の動画(所要時間1分20秒)は、寝返りしやすさを確かめるための実験の様子です。上の図と一緒に撮影されました。実験時は、首周りの筋肉の負担なども調べました。また頸椎高など人体測定も行った様子が映っております。
- 呼吸枕
- 医師用椅子(産医大版)の開発
- 取扱説明書
- 素材の特性から選ぶクッション
- 星観(プラネタリウム)椅子の開発
- 巻きずしロール
- 骨盤ざぶとん
- 仙骨サポート座布団
- 仙骨サポート座布団(SSZ)の効果の検証
- レストランの椅子
- 航空機用シート
- カーナビゲーション用リモコン
- アクセルとブレーキの踏み間違い 研究
- 講演ー実験と製品化人間工学 2017.7
- Ergonomics has an important role to play for supporting economic and industrial activities.
- ダイムラー社ベンツ最新Eクラスのエルゴノミクス体験
- 人間工学入門その1 何のためにあるのでしょうか
- その2 いつ頃から人間のことを考えてものを作るようになったのでしょう
- その3 参加型人間工学
- 講演 人間工学による物作り その1ー5つの鍵
- 講演 人間工学による物作り その2ー事例1キッチンナイフ
- 講演 人間工学による物作り その3ー事例2 椅子
- 講演と論文・記事
- 国家試験問題(人間工学関連)の傾向と対策
- 目次と趣旨
- 第1章 看護のためのエルゴノミクスとは
- 第1章 1.2 人間工学で必要な人体の知識 1.3 ICTの活用
- 第3章 看護師の動きを時間で測る
- 第4章 患者の満足を調べる
- 第5章 病室の患者のゆとりを測る
- 第6章 椅子・パソコンと健康障害
- 第7章 医療ミス